作品の修復
当画廊では昭和59年に開業以来、歴史ある京都で長年引き継がれる伝統と技術知識で、掛軸、額、衝立、屏風、座敷額、巻物など様々な修復を承っております。
作品を拝見して、丁寧に対応させて頂きますので、お気軽にご相談下さいませ。
修復前との比較
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修復前
本紙全体に、強いシミが出ています。
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修復後
洗い、シミ抜きを施し本紙を綺麗にして表装は、本紙に合わせた時代物の裂地で仕立て直します。
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修復前
人物の顔にも、大きなシミがあります。
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修復後
高い修復技術により、表面だけでなく表面からも状態に応じて、丁寧にシミを取り除く作業をします。そしてこのように本来の作品が美しく蘇ります。
修復の様子
主な修復作業
剥落・色止め
膠とは動物や魚の皮・骨から煮出したタンパク質からできているゼラチンを固めた物です。
本来、膠は接着剤として、墨や岩彩に混ぜ作られていたり、描かれています。
長い年月や作品の置かれている環境によってその膠の効力が薄れ、剥落します。
本紙の状態を十分に確認し、ホコリやゴミをを取り払った後に必要に応じて表具用薬品で剥落・色止めをします。
はがし
色止めが終わると、本紙を裏側から水分を与え、糊の成分を溶かし、裏打ちの紙を慎重にはがします。
洗浄
水洗いによって、表面の汚れや軽いシミなどをとります。
シミ抜き・カビ汚れの除去 虫食い補修
状態に応じて、水洗い、表具用薬品など経験をもとシミ抜き、カビなどを取り除いていきます。
破れや虫食いの穴などは本紙に合わせて補修します。
肌裏打ち
本紙に薄美濃紙で1回目の裏打ちをします。
折れ部分の補強
経年の横折れ部分に、裏面より細く切った和紙を当てて補強します。
何度も確認しながら折れやヒビを除去していきます。
補彩作業
経年による絵具の剥離、ヒビなどの部分を丁寧に補彩します。補彩はお客様のご要望に応じて作業を行います。
総裏打ち
最後の裏打ちをします。この時、刷毛で全体を叩き込みます。その後仮張りして乾かしていきます。乾燥後、数珠で裏摺りししなやかにしていきます。
確認作業
すべての作業が終わり、各部分の細かな確認をします。